メッセージ(礼拝説教要旨) 最新版 先週までのメッセージ

【かたずをのんで】(2023年9月10日)

〈ルカ福音書4:2-30〉,前橋中部教会主日礼拝説教(要旨) 堀江知己牧師

 人は苦難の最中にある時、案外それを乗り越えていけるものです。それは、大変な目に遭っている時、周囲も慰め励ましてくれるからなのかもしれません。しかし休息が訪れ、人々の関心も薄れると、どっと疲れが出てきて本物の試練が訪れます。またそれは、苦難を乗り越えるためにエネルギーを使ってしまい、小さな試練であっても、つまずきやすい状態になっているからなのかもしれませんが、サタンにとってはそんなことはお構いなしで、むしろそれをチャンスと捉えます。四十日の誘惑を終えられた主に、サタンが忍び寄ったのも、一番陥れ易いという理由からなのかもしれません。主は、試練が終わってもさらに試練が続くことを、そして、さらなる試練に日々打ち勝っていかねばならない(ルカ9:23)ことを、御身をもってお教えくださいました。主は悪魔を御言葉によって打ち返されましたが、悪魔も御言葉を投げかけています(10)。御言葉は、相手が信仰者であれば、えも言わせぬ力を持っているものです。しかし、悪霊が引き下がったのは、御言葉合戦で負けたからではありません。サタンは御言葉を口にしつつも、その御言葉によって生きてはいませんでした。私たちも、御言葉の知識を深めるとともに、その御言葉によって生きる者となりましょう(一コリ9:27)。それこそが、サタンを追い払うために最も有効です。主が聖書からお勧めを語られようとしている時、きっと会衆はかたずをのんだことでしょう。どんなメッセージを語られるのかと。「聖書の言葉は、今日あなたがたに実現した」。しかし人々は、「あなたがた」とは一体誰のことなのか、理解できませんでした。「あなたがた」には彼らは入っていません。「あなたがた」とは、貧しい人、つまり神に頼って生きる心の貧しい人(マタ5:3)のことであり、また目の見えない人、つまり、自分の罪に気づいている人たちのこと(ヨハ9:41)です。私たちがこの「あなたがた」に含まれているとしたら、今日、御言葉が朗読され、聖書がパタンと閉じられる時、その音と同時に、御言葉が身に実現しているはずです!


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