【最愛の賓客】(2023年4月2日)
〈創世記42:36節-43:34節〉,前橋中部教会主日礼拝説教(要旨) 堀江知己牧師
ユダの発言は、重い腰を上げずにいた父ヤコブの心を動かします。もしかしたら、世に下られる際に、御子も御父に申し出られたのかもしれません。「彼らのために、この私を遣わしてください。彼らを一緒に連れて帰りますから」と。ユダがベニヤミンの責任を背負う覚悟でいたように、主も「彼らのことは私が保障します。その責任を私が負います」といったご覚悟で、この世にやって来られたのではないでしょうか? もし、ユダがベニヤミンを父のもとへと連れ戻すことができなかったならば、ユダは父に会わせる顔がなかったはずです。私たちを御国に連れ戻すことができないとすれば、御子も御父の前で面目を失われます。ですから、愛する主のためにも、ぜひ御父のもとへと連れ戻していただきましょう! 十二人の兄弟たちが勢ぞろいした食事の席。ヨセフにとって、特別大切な存在はベニヤミンでした。彼は感情を抑えておくことができず、人々が見ている前でも、ベニヤミンを特別扱いしてしまいます(34)。最後の晩餐の席にも、主が特別に愛された弟子がいました。この無名の弟子とは、実はあなたのことです。主は弟子たちのために晩餐を開かれますが、本当のところ、あなたのためにこそ晩餐を開いてくださいます。その証しとして、あなたにはとりわけ豪勢な食事を振る舞ってくださいます。あなたこそが、主にとっての最愛な賓客だからです。だから、どうぞこの席に招かれてください! 永遠の昔からあなたのことをご存じであられた主は、あなたに会えたとき、なつかしさのあまり、御胸が熱くなり、席を外して泣かれます(30)。やがて御顔を洗って出て来られ、平静を装って再び食事の席に着かれます。しかし主がどんなに平静を装っておられても、その頬に残る主の涙の跡を盗み取ってください。それはあなたのために流された涙。その涙の跡を見届けてください! この場があなたのために設けられた祝宴であることを確信するために!