【とんぼ返り】(2023年12月17日)
〈ルカによる福音書8:49-9:10〉,前橋中部教会主日礼拝説教(要旨) 堀江知己牧師
十二人の弟子たちは、主より大きな権能を授けられて派遣されました。弟子たちの働きは大きく、村から村へと歩き回ったのですから、とても時間を要したはずです。そして、主のもとに帰ってきた弟子たちは、主にご報告しました(10)。逆に言えば、報告しただけでした。弟子たちは方々へと散り、様々な目覚ましい働きをしに出かけていったにもかかわらず、なんだかすぐ主のもとに戻ってきたかのようです。それはまるで、とんぼ返り。それほどまでに、主のお傍が恋しかったかのようです。あるいは、主の近くで仕えることに比べれば、外の用事など小さなことに思っていたかのようです。私たちは、主の日の礼拝を終え、主の御前を旅立ち、七日かけて再び主の御もとに戻ってくるのが理想的です。時間的には、礼拝時間は一週間の一日の約一時間。外の時間の方がずっと長いです。しかし、外でどんなに長く、どんなによい働きをしても、主のお傍に仕える時に比べれば小さなものです。主に遣わされてどんなに働こうとも、気持ちの上では、主のもとにすぐに戻ってこなくてはなりません。たとえ週日の間に、自分が果たした働きが、どんなにたくさんあっても、その報告などは、主の御前では一瞬で終わります。それほどまでに、主のお傍にいて、主ご自身の御言葉に聞き、主ご自身の御業を見させていただくことが偉大なのです。御前に立たされる時、皆思います。自分の一週間の生活には、色々あったけれど、主が語られる御言葉の前では、いかに小さなものであったかを。自分がどんなに偉大な業をしたとしても、主の語られる小さなお言葉一つの方が大きいのです。私たちは主の御前を出で立ち、世へと遣わされます。時間としては、世においての方がずっと長く過ごします。しかし気持ちの上では、外で用を済ませて素早く帰ってくる、とんぼ返りを繰り返しましょう。主の御前にいることはとても素晴らしく、何事にも変えられないのですから!